あの女(ひと)の器

セクシュアリティとか、ジェンダーとか

麻姑仙女さんのこと~だったけどなぜか田中玲さん、そして昔のオペの話…

ちょっす。ひばりちゃんです。

えっと、声の手術やってきて、それはこちらにまとめときました。

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一泊入院した後、大事をとって京都の知人がやってるゲストハウスに一泊したんですね。
その時に知人から'97の「現代思想」(「女」とは誰か)を見せて頂いて、それが当時のLGBT的な人たちの対談だったんです。
その中に「麻姑仙女」さんという方がいて、この方はTS(トランスセクシュアル)なんですが、逐一、自分的には腑に落ちることを言ってて「ああ、この頃からTSは今と全く変わらないことを言っていたのだなあ」と感心しました。
ちょっと今手元に資料がないので引用出来ません。

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ところで、

その「麻姑仙女」さんが気になってググってるうちになぜか田中玲さんの文章を読むことになってしまい、その中でちょっと気になった部分を紹介します。

田中玲「トランスジェンダー及び性同一性障害医療の現状」

FTMが手術をした場合、液がでて危ないからすぐに膣を閉鎖したらいけないのではないでしょうか」と。そしたら「そんなこと考えていませんでした」と言うんですよ。そのときは、すごい衝撃でした。その記憶だけ残っているくらいの衝撃で、日本の医療水準に驚いてしまったのです。

この時壇上にいたのはかの原科氏です。で、すごく単純な突っ込みを産婦人科医から受けたという場面です。それに衝撃を受ける田中さん。そして私も衝撃を受けるぅ。こんなことがあったんですね…。

実際に、私は埼玉医科大で失敗したという当事者の話をいっぱい聞いています。死にかけた当事者ももちろんいます。でもなぜ訴えないかというと、訴えたらその病院で診てもらえないし、通院が不可能になるからです。

だいたい手術に失敗した人って「失敗したことを語らない」わけですけど(自分が失敗した話なんて語りたくないですからね。常に成功者が成功したことを語るのです)、ですが、それ以上に、当時は失敗したと言いたくても言えない外圧がかかっていたということですね。
えっと、ヨシノユギさんの話は有名ですが、ヨシノさん自身、当時、相当仲間からバッシングを受けています。不正を指摘することに本当に勇気がいったことでしょうね。

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性同一性障害治療では保険が効きませんので、「無理」と回答されました。だけど泌尿器科では保険で160万円返って来たそうです。つまり性同一性障害治療は全額自己負担しなければならないのです。

これですね。特にFtMはどれも「女性がなる病気」として手術を受ければ、保険が降りるし、熟練した医師もいるはずなのに…と私もTwitterで似たようなことを呟いたことがあります。

けっこう怖い話がいっぱいあって、岡山大の胸の手術は60万円らしいですけど、右胸と左胸を違う医者が担当して、片方は乳腺を取っているけど、片方は取っていないという人が、個人的に聞いただけでも3人はいます。さらに4人は血栓ができ、壊死して乳首が落ちた人もいます。その場合もう一回自己負担で手術です。医者の責任は追及されずに、再度60万いるんです。

などと怖い話がさらにさらに続きます。
またタイのアテンドも今でこそ安心して頼める業者が何件か出来ましたが、昔は本当に酷かった時期があったことも確かです(どことは言いませんが、どことは。けっこう今でも有名なとこです)。

ネットで検索したらすぐヒットします。なんでも簡単に請け負うんですけど、病院の滞在費を倍近く取り、入院前に危険だからといって現金とパスポートを渡すように言ってくるんです。

すごく怖いという。

「中核群」と呼ばれる人たち

で、さらに読み進んでいくと…

東京の方でいわゆる「中核群」と呼ばれる人たちがいて、中核群とはどういう人たちかというと、男は「自分は生まれたときから女やと思っていた」、女は「自分は生まれたときから男やと思っていた」と主張する人たちで、結婚するとか子どもを産むとか、そんなん考えられない。生殖機能もなくすのは当たり前、性器も変えるのが当たり前と言っている人たちです。

キタ。来ましたね。

ここで「東京の中核群と呼ばれる人たち」が具体的に誰なのか、走馬灯のようにその人らの顔が浮かんでは消えて行くのですが、それはさておき、来ましたね。TS批判が。お決まりのパターンですね。
この部分で田中さんが言ってる事って、今でも一部のセクマイが特例法批判でよく言うことです。TSへの批判ももはやお馴染みですね。

しかし、ざっと読んで、何に驚いたかと言うと「今と何も、何も状況が変わってない」ことです。変わったと言えばタイが当時より安全で利用しやすく、技術も格段に上がったことでしょうか。日本国内においては唖然とするほど何も変わってないです。
例えばこのくだり。

闇の医者でホルモン治療したんです。8年前かな。すごく簡単なんです。1回診察を受けて受付にいったら何本ですかと聞かれて、男性ホルモン1本ですと言うと、そのまま奥で打たれるから5分で済む。
性同一性障害という診断がいらなかったら別にジェンダークリニックに通わなくてもいいんですけどという感じです。

 被差別部落で生まれ育ったという人、同性愛者である人などは、ぱっと見て識別されることがありません。しかし、パス(望む性別の外見で周囲に受容されること)、リード(望む性別の外見で周囲に受容されないこと)という語が規範的意味合いをもって語られているように、トランスの場合は、ぱっと見られて違和感をもたれる 

これが'07年の末に行われた研究シンポジウムでの話です。特例法元年の3年後。この十年で性別を変えて生きる人を取り巻く環境が何か進んだかのように語る人がいますが、これを読む限り「別に何にも変わってない」ですよね。

なんだったんでしょうか、この十年間は…。

あ、麻姑仙女さんの話だったはずですが、ほとんど田中玲さんの話になってしまいました。麻姑さんて人に会ってみたいものです。

ではまた。